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ル・クレジオおすすめの代表作【8選】

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本記事では、2008年にノーベル文学賞を受賞したフランスの小説家J・M・G・ル・クレジオの作品を紹介しています。代表作から気軽なエッセイまで、ル・クレジオの全体像を把握できるようにピックアップしました。良かったら参考にしてください。

『調書』

アダム・ポロ―人類最初の名前をもつこの不思議な男は、いったいどこからやってきたのか? 太陽や海、犬やライオンとの交歓のなかに、奇妙な巡礼行を綴る、ル・クレジオ、衝撃のデビュー長篇。

出典:Amazon「調書」

ル・クレジオのデビュー作品。主人公アダム・ポロは精神病院から抜け出してきた患者? あるいは脱走兵? ル・クレジオの「逃亡者」の原点。

『大洪水』

生の中に遍在する死を逃れて錯乱と狂気のうちに太陽で眼を焼くに至る青年ベッソン(プロヴァンス語で双子の意)の13日間の物語。独特の詩的世界で2008年ノーベル文学賞を受賞した作家の長編第一作、待望の文庫化。

出典:Amazon「大洪水」

「その日以来一切が腐敗し、わたしフランソワ・ベッソンはいたるところに死を見る」ことになるのだが、『嘔吐』サルトルに引けをとらない。

『悪魔祓い』

西欧世界とはまったく異質な輪郭と色彩をもつインディオの世界認識のありかたを称揚し、ヨーロッパ文明とインディオ社会のヴィジョンの対立をストレートに描く、ル・クレジオの記念碑的著作。失われた土着の宇宙観とその残照を擁護する、現代文明批判の書。

出典:Amazon「悪魔祓い」

ル・クレジオが観察したインディオ文明の精神。単純にインディオ文明の礼賛として……ではなく、ル・クレジオのヨーロッパ文明に対する呪詛の裏返しとして解釈するなら、意外な発見があるかもしれない。興味があるなら『オリエンタリズム』エドワード・サイード併読をおすすめする。

『巨人たち』

巨大なマーケットは、言葉の乱射攻撃と物質の洪水に溢れている。若い女性トランキリテの進路を、光が、視線が、言葉がさえぎる。青年マシーヌは手押し車を押しながら、物質的恍惚にひたる。唖の少年ボゴは言葉を捨て、海辺でかもめや石を眺めながら自然との一体感を願う。……

出典:帯裏紹介文

舞台はスーパー・マーケット。主人公は教育センターから逃亡した少年「唖のボゴ」。我々は「言葉の乱射攻撃」から逃れることができるのか……。

『海を見たことがなかった少年』

さざ波がまばゆい南仏ニースの海辺。いつの間にかどこからか来て、知らぬ間に旅立ってしまったモンド…。子どもたちのいる風景をみずみずしい感性で描く素敵な物語8編。

出典:Amazon「海を見たことがなかった少年」

ル・クレジオの「子供」が読みたいなら、本書がおすすめ。子供を主人公にした短編小説を8編収録。文体も平易ですらすらと読むことができる。

『砂漠』

フランスによる植民地化の波のなかで、抵抗しつつも滅亡の道をたどるサハラの民の物語と、その末裔である現代の少女ララの遍歴を合わせ、神話的世界を作りあげた傑作。ノーベル文学賞受賞作家の後期代表作、待望の復刊。

出典:Amazon「砂漠」

フランスの植民地化に抵抗する砂漠の民の物語と末裔の少女ララの遍歴。歴史的な視点を獲得したル・クレジオの傑作。西洋文明の暴虐非道を直視して「オリエンタリズムだよね」と得意顔で語ることができるなら幸せな読者だ。

『黄金探索者』

今は、海を見つめ、風の音を聞く以外に何もできない。
失われた楽園を取り戻すため、父の遺した海賊の地図と暗号文を手がかりに、ぼくは終わりなき財宝探索の旅に出る。2008年ノーベル文学賞受賞作家による、魅惑に満ちた自伝的小説。

出典:Amazon「フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者」

河出書房新社の世界文学全集の1冊。単行本も出ているけれども、『フライデーあるいは太平洋の冥界』トゥルニエも収録しているから、お買い得。

『ル・クレジオ、映画を語る』

幼少時から映画に親しんだノーベル賞作家が、世界の傑作を紹介する半自伝的エッセイ。リュミエール兄弟、溝口健二、パゾリーニといった古典映画から、現在のイラン映画、韓国映画まで。

出典:Amazon「ル・クレジオ、映画を語る」

最後に、ル・クレジオのエッセイを紹介。本書を芸術映画の案内書として活用することもできる。

おわりに

とりあえず、代表作を押さえたいなら『大洪水』『砂漠』から読むことをおすすめします。初期作品から難解なイメージがありますが、後期の作品は正統派の小説になっています。ぜひ、読んでみてください。

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