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『百年の孤独』G・ガルシア・マルケス あらすじ&感想

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本記事では、ラテンアメリカ文学ブームの概要、『百年の孤独』G・ガルシア・マルケスのあらすじ、感想を述べ、最後にコロンビアの歴史的背景を学習するために参考になる書籍を紹介しています。

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ラテンアメリカ文学の流行

「第二次世界大戦後、ラテンアメリカ諸国は経済的好況のため、さまざまな領域で繁栄を遂げ、文学の世界でも多くの収穫をもたらした。中でも、1960年代にのちの『ラテンアメリカ文学ブーム』の礎となる主要な作品の多くが発表された」(参照元:Wikipedia)

1967年にミゲル・アンヘル・アストゥリアス、1971年にパブロ・ネルーダがノーベル文学賞を受賞。そして、1980年代、日本において、ラテンアメリカ文学が流行する。『百年の孤独』は世界各国で翻訳され、全世界3600万部以上のベストセラーとなったラテンアメリカ文学の代表的な作品である。

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あらすじ

ホセ・アルカディオ・ブエンディーアとウルスラ・イグアランを始祖とするブエンディーア一族が創設した村マコンドの繁栄と滅亡、ブエンディーアの血に刻まれた孤独の宿命を描いた作品。

ブエンディーア家の先祖から末代の子孫まで、様々な人物が登場し、嫡出子だけではなく、非嫡出子、さらに、養子まで登場するから、家系図も自然に複雑となり、頭が混乱する。ちなみに、個人的に、私はこういう種類の小説を「家系図小説」と呼んでいる。Wikipediaに登場人物表が載っているため、参考にしてみたらいいかもしれない。

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マジックリアリズム

さて、ラテンアメリカ文学が話題になるとき、必ず、「マジックリアリズム」という用語を耳にする。「マジックリアリズム」とは、リアリズムと幻想的な要素が融合した表現技法だ。『百年の孤独』も、現実的な要素と非現実的な要素が奇妙に混ざっており、「マジックリアリズム」の作品ということになる。本書は「要約などは徒労としか思えない無数の挿話」から成り立っている作品であり、いくらでも例を挙げることは可能だが、例えば、ジプシーの行商人たちがマコンドに輸入する数々の不思議な品物がある。

「今回は、彼らはほかの種々雑多な道具といっしょに、空飛ぶ魔法の絨毯を持ち込んでいた」
「ある日の午後、操縦係のジプシーと嬉しそうに手を振っている数人の村の子供を乗せて、空飛ぶ魔法の絨毯が実験室の窓をかすめた」

リアリズムの描写が続いていきながら、時々、マジックが出現する。初めて、「マジックリアリズム」を経験した当時の読者は、びっくりしたことだろう。ラテンアメリカ文学輸入当時の日本の読者の驚天を想像することができる。

過酷な現実

ただ、日本の読者は、幻想の要素にのみ注目して、「マジックリアリズム」を崇拝しているところがある。だから、マジックリアリズムの本質は、過酷な現実だということを私は主張しておきたい。

我々は、ラテンアメリカの現実について、何もわかっていない。『百年の孤独』を読み終わって、切実に感じることだ。自由党と保守党の対立、先進国の利権争い、内戦、軍事クーデター、テロ、虐殺。物語が進むにつれて、過酷な現実がマコンドを脅かす。最も象徴的な事件は、バナナ会社の労働者虐殺事件である。軍隊が出動し、三千人の人間を虐殺する。死体は列車に積まれ、海に投げ捨てられていく。さらに、衝撃的なことは、「虐殺はありませんでした」という政府発表を民衆が信じていることだ。しかし、ブエンディーア家の子孫は、真実を知っている。でも、誰も信じてくれない。歴史修正。残念なことに、現代の日本でも起こっていることである。

暴力的な現実と幻想的な事件の対比によって、我々はマジックにかけられる。あまり、ステキな魔法ではない。心の中に奇妙な感覚が残っている。実際に、読んでもらって、奇妙な感覚を体験していただきたい。

参考文献

最後に、コロンビアの歴史的背景の勉強のために参考書を掲載する。

  • 中川文雄、松下洋、遅野井茂雄『世界現代史34 ラテンアメリカ現代史II』山川出版社、1985年
  • 増田義郎 (編)『新版世界各国史26 ラテン・アメリカ史II』山川出版社、2000年 (ISBN 4-634-41560-7)
  • 野沢敬 (編)『朝日百科 世界の地理12 ラテンアメリカ』朝日新聞社、1986年(ISBN 4-02-380006-6 C6325)
  • 伊高浩昭『コロンビア内戦 ゲリラと麻薬と殺戮と』論創社、2003年(ISBN 4-8460-0376-0)
  • エドゥアルド・ガレアーノ(著)、大久保 光夫(訳)『収奪された大地 ラテンアメリカ五百年』新評論、1986年

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