本記事は、株式会社キングジムのポケット・メモ・ライター「ポメラ」の比較記事です。ポメラは文章作成に特化したシンプルなツールで、小説を書いている方におすすめです。ぜひ、参考にしてください。
デジタルメモ「ポメラ」とは?
「ポメラ」はオフィス・家庭用の文具メーカーキングジムが製造しているキーボード搭載のデジタルメモ機器です。インターネットブラウザ・プリンター接続の機能は取り除いていて、文章作成に特化したデジタル機器です。超小型のワープロをイメージしてもらったらいいですね。
ポメラの特徴
- キーボードを搭載した文章作成ツール。
- 軽い、小さい、気軽に持ち運びができる。
- 電源ONで即座に起動するため、手軽に利用できる。
ポメラシリーズの機種一覧
ポメラシリーズは「折りたたみ式キーボード」と「ストレートタイプのキーボード」の二種類に大別できます。
- 「折りたたみ式キーボード」(「DM10」「DM20」「DM5」「DM25」「DM30」)
- 「ストレートタイプのキーボード」(「DM100」「DM200」)
「折りたたみ式キーボード」は型番が2ケタの機種、「ストレートタイプのキーボード」は型番が3ケタの機種と覚えたらわかりやすいですね。
機種名 | 特徴 | 電源 | 発売年 | 備考 |
DM10 | 折りたたみ式キーボード。表面にラバーコーティングを採用しているため、経年劣化でベタベタになる。 | 単4アルカリ×2 | 2008年 | 製造終了 |
DM20 | 折りたたみ式キーボード。表面にラバーコーティングを採用しているため、経年劣化でベタベタになる。DM10の上位機種。 | 単4アルカリ×2 | 2009年 | 製造終了 |
DM5 | 折りたたみ式キーボード。画面解像度を落としたポメラシリーズの廉価版。 | 単4アルカリ×2 | 2010年 | 製造終了 |
DM100 | ストレートタイプのキーボード。バックライトを搭載した画面。Bluetoothに対応している。 | 単3アルカリ×2 | 2011年 | 製造終了 |
DM25 | 折りたたみ式キーボード。軽さ、薄さ、テキスト編集機能が改善されている。 | 単4アルカリ×2 | 2013年 | 製造終了 |
DM200 | ストレートタイプのキーボード。バックライトを搭載したワイド画面。Bluetooth、無線LAN機能に対応している。DM100の上位互換。 | リチウムイオンバッテリー | 2016年 | – |
DM30 | 折りたたみ式キーボード。電子ペーパーディスプレイを採用。「FlashAir」ファイル転送に対応しいている。 | 単3アルカリ×2 | 2018年 | – |
現時点において、ポメラを購入するなら「DM200」「DM30」の2種類から選ぶことをおすすめします。
「DM200」のメリット・デメリット
・USB接続、Bluetooth、無線LAN、QRコード変換に対応。
・バックライトを搭載した7インチワイド画面。
・アウトライン機能を搭載。
・縦書き対応、行番号、罫線・方眼表示が可能。
・電子辞書を搭載(「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」「角川類語新辞典.S」)
・折りたたみ式と比較して持ち運びが不便。
かんたんなアイデアメモではなく、ポメラで本格的に小説の執筆を進めるつもりならストレートタイプのキーボードの最新機種「DM200」がおすすめです。
「USB接続、Bluetooth、無線LAN、QRコード変換に対応」していてパソコンにファイルを気軽に転送できるようになりました。「バックライトを搭載」しているため、照明の暗いカフェでも執筆作業を快適に行うことができます。
「アウトライン機能」を搭載していて、見出し単位で移動したり、位置を入れ替えたりすることができます。2つのテキストを並べて比較することができる「比較表示」、1つのテキストを左右に分割して、ウィンドウを切り替えながらテキストを編集することができる「分割表示」も可能です。
さらに「行番号、罫線・方眼表示」が可能で「縦書き」に対応しているため、小説の執筆に最適です。
デメリットは「価格が非常に高い」ことです。型落ちの「DM100」の中古品が低価格でアマゾンに出品されていることがあるため、懐具合と相談してこちらを狙ってもいいかもしれません。
それから、多機能・高性能であるために「サイズ」が多少犠牲になりました(約263 × 120 mm)。ただ、ノートパソコンと比較したら持ち運びに便利であることは変わりません。見方を変えるなら「ワイド画面」というメリットとして捉えることもできます。
「DM30」のメリット・デメリット
・USB接続、「FlashAir」ファイル転送、QRコード変換に対応。
・電子ペーパーディスプレイを採用。
・アウトライン機能を搭載。
・縦書き対応、行番号、罫線表示が可能。
・電子辞書を搭載(「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」)
・コンパクトサイズで気軽に持ち運びができる。
・「Bluetooth」「無線LAN」非対応。
持ち運びのことを考えるなら、折りたたみ式キーボードの最新機種「DM30」がおすすめです。
「DM30」はコンパクトサイズの「約156 × 126 mm」で、文庫本と同じくらいのサイズですね。
「電子ペーパーディスプレイ」を採用しているため、文字がくっきりとして、読みやすくなりました。
「USB接続、QRコード変換に対応」していて、無線LAN機能付きSDカード「FlashAir」を別途購入して「FlashAir ファイル転送」も可能です。
テキスト編集機能は、「アウトライン機能」を搭載していて、「行番号、罫線表示」、「縦書き」に対応しています。さらに、「表形式(csvファイル)」の入力も可能です。
やはり、デメリットは「価格が非常に高い」ことです。ただ、アマゾンではメーカー希望小売価格より大幅に割引した値段で購入できるため、チェックしてみてください。
『DM200』と『DM30』の比較表
DM200 | DM30 | |
通信方式 |
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ディスプレイ |
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テキスト編集機能 |
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電子辞書 |
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サイズ | 約263 × 120 mm | 約156 × 126 mm |
電源 | リチウムイオンバッテリー | 単3アルカリ×2 |
稼働時間 | 約18時間 | 約20時間 |
「通信方式」では、「DM200」に軍配が上がるかもしれません。「DM30」は「Bluetooth」と「無線LAN」の機能が消えているところが残念です。「FlashAir ファイル転送」に対応しているけれども、無線LAN機能付きSDカード「FlashAir」を別途購入する必要があります。
「テキスト編集機能」は、表形式のデータ(csvファイル)を編集するなら「DM30」、小説の執筆に利用するなら「DM200」ですね。ただ、「DM200」の「方眼表示」「比較表示」「分割表示」「フレーム表示」「原稿用紙スタイル」は小説の執筆に必須というわけではないから、あまりこだわらなくてもいいかもしれません。
それから「DM30」は「類語辞典を搭載していない」ところが痛いですね。類語辞典は小説家に必携のツールのため、気軽に閲覧できるようにしておきたいところです。
おわりに
現在、私は「DM100」を小説の執筆に利用しています。自宅のデスクトップで推敲をする場合にはポメラのSDカードをパソコンのカードリーダーにカチッと挿入するだけです。実はポメラのUSB接続、Bluetooth、無線LAN、QRコード変換は私は意外に利用してないんですよね。
個人的には乾電池よりバッテリーが好きだから、本当は「DM200」に買い替えたいところではあるけれども、今は懐事情が厳しいためなかなかむずかしいところです…… 笑
喫茶店で小説の執筆をしている方は、是非、ポメラの導入を検討してみてください。インターネットにつながっていないから、パソコンより執筆に集中できますよ。