48万部のベストセラー『応仁の乱』を著した歴史学者、呉座勇一さんの新刊『武士とは何か』(新潮選書)の重版が決定しました!
『武士とは何か』(新潮選書)
平安後期から戦国時代にかけて、政治・社会の中心で活躍した武士たち。本書では、史料に残された33の名言、暴言、失言を手がかりに、中世武士の本質を読み解きます。『葉隠』『武士道』のイメージとは異なるアナーキーで、ワイルドで、魅力的な侍たちの姿が浮かび上がってきます。
また、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』だけではなく、2023年放送予定の『どうする家康』の登場人物も多数扱われており、ドラマ鑑賞の副読本として楽しむこともできます。
鎌倉殿の13人
- 平清盛「頼朝が首を切りて、我が墓の上に懸けよ」
- 源義経「関東において怨みを成すの輩は義経に属すべし」
- 源頼朝「日本国第一の大天狗は更に他の者に非ず候か」
- 畠山重忠「謀反を企てんと欲するのよし風聞せば、かえって眉目というべし」
- 源実朝「源氏の正統、この時に縮まりおわんぬ」
- 北条政子「その恩、既に山岳より高く溟渤より深し」
- 北条義時「君の御輿に向いて弓を引くことはいかがあらん」
- 後鳥羽上皇「およそ天下の事、今においては御口入に及ばず」
- 北条泰時「兄の思う所、建暦・承久の大敵に違うべからず」
どうする家康(予想を含む)
- 徳川家康「万一負け候わば、弔い合戦すべしと人数を揃え上って能く候わん」
- 織田信長「日向守(明智光秀)働き、天下の面目をほどこし候」
- 明智光秀「仏のうそをば方便と云い、武士のうそをば武略と云う」
- 豊臣秀吉「秀吉若輩之時、孤と成て、信長公の幕下に属す」
- 今川義元「自分の力量を以て国の法度を申付く」
- 黒田長政「今になりて、我等が分別、鑓先にあり」
- 石田三成「大将をする者は命を全うして、後日の合戦を心に懸る也」
- 真田信繁「忠義に軽重なし、禄の多少によるべきや」
- 伊達政宗「奪うべき時節だに身に授からぬ天下なれば望みなし」
著者コメント
私もNHK大河ドラマは大好きで、『鎌倉殿の13人』は毎回観ていますし、来年の『どうする家康』も楽しみにしています。ドラマに登場するエピソードや名言の中には、歴史的事実ではなく後世に創作されたものも多いですが、エンタメとして面白がる際には何の障害にもなりません。むしろ、歴史ロマン(歴史ファンタジー)と歴史学の研究成果との差異を意識しながら鑑賞すると、ますます深くドラマを楽しめるようになると考えています。だからこそ、大河ドラマを楽しむ人たちに歴史学の魅力を知ってもらいたい。本書をきっかけに、歴史の新しい楽しみ方を発見していただければ、これに勝る喜びはないと思っています。
出典:プレスリリース
著者の呉座勇一(ござゆういち)さんは、日本中世史を専門としている歴史学者。現在、信州大学特任助教。主な著書に『戦争の日本中世史』(新潮選書)、『応仁の乱』(中公新書)、『陰謀の日本中世史』『戦国武将、虚像と実像』(いずれも角川新書)、『頼朝と義時』(講談社現代新書)、『日本中世への招待』(朝日新書)、『一揆の原理』(ちくま学芸文庫)、『日本中世の領主一揆』(思文閣出版)など。
中公新書から刊行されている『応仁の乱』は48万部を突破したベストセラーです。新刊『武士とは何か』と一緒に読んでみてはいかがでしょうか?
プレスリリース「NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をより深く楽しめるようになると話題の新刊『武士とは何か』(呉座勇一/新潮選書)が重版となりました!」