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賞金100万ドル!哲学者の柄谷行人さんが2022年バーグルエン哲学・文化賞を受賞しました!

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柄谷行人ニュース

アメリカ合衆国のシンクタンク「バーグルエン研究所」は、「バーグルエン哲学・文化賞」の2022年受賞者に日本の哲学者・文芸評論家である柄谷行人さんを選出したことを発表しました。バーグルエン哲学・文化賞は、「急速に変化していく世界のなかでその思想が人間の自己理解の形成と進歩に大きく貢献した思想家」に毎年授与されており、賞金100万ドルが贈られます。

バーグルエン哲学・文化賞とは

「バーグルエン研究所」は、21世紀の基盤となる思想の醸成と政治・経済・社会制度の形成をミッションとして活動しているアメリカ合衆国のシンクタンクです。「バーグルエン哲学・文化賞」は、慈善家のニコラス・バーグルエンが2016年に創設した賞で、「哲学のノーベル賞」と呼ばれています。

過去の受賞者

  • 2016年:チャールズ・テイラー(異なる知的伝統と文明の間の理解を深め、人文、社会科学、パブリック アフェアーズに影響を与えたカナダの哲学者)
  • 2017年:オノラ・オニール(市民生活の質を高め「public discourse」という言葉を広めたイギリスの市民哲学者)
  • 2018年:マーサ・ヌスバウム(人間の能力を考察し、道徳的・政治的生活における脆弱性、恐怖、怒りを探求する枠組みが評価されたアメリカの公共・道徳哲学者)
  • 2019年:ルース・ベイダー・ギンズバーグ(男女平等の先駆者であり法の支配を強化したライフワークが評価された元米国連邦最高裁判事)
  • 2020年:ポール・ファーマー(世界的な公衆衛生の公平性を推進した功績が認められたアメリカの医療人類学者)
  • 2021年:ピーター・シンガー(動物の権利、効果的な利他主義、世界的な貧困撲滅のための倫理的枠組みを提唱したオーストラリアの功利主義哲学者)

柄谷行人さんは、哲学、社会科学、経済学、人権とグローバル ジャスティス、理論物理学などの分野で活躍する、世界最高峰の思想家を含む数百人の候補者の中から、第7回バーグルエン賞の受賞者として選出されました。

アントニオ・ダマシオをはじめとして国際的な作家・思想家で構成されている2022年審査委員会は、「柄谷氏は現代哲学、哲学史、政治思想に対する極めて独創的な貢献をした。混迷するグローバル資本主義と民主主義国家の危機、めったに自己批判が伴うことのないナショナリズムの復活という今の時代において、柄谷氏の作品は特に重要である」ことを受賞理由に挙げています。

同賞は、2023年春に東京で開催予定の式典で柄谷行人さんに授与されます。受賞式では、BBCワールドサービスによるインタビューが行われ、柄谷行人さんの業績と思想を紹介するラジオ番組を通して、世界中に配信される予定です。

柄谷行人のプロフィール

柄谷行人
出典:プレスリリース

柄谷行人さんは日本の哲学者・文芸評論家。1941年生まれ、兵庫県尼崎市出身。東京大学経済学部を卒業後、同大学院の英文学修士課程を修了。以降、東京の法政大学で教鞭を執りながら文芸評論家として活躍し、1969年には夏目漱石を論じた評論で群像新人賞を受賞しました。その後、米国イェール大学の客員教授として日本文学を教え、そこでポール・ド・マンおよびフレドリック・ジェームソンに出会い、形式主義の研究に取り組み始めます。1990年から2004年まで、米国コロンビア大学で比較文学の客員教授として定期的に教鞭を執り、近畿大学教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授も歴任しました。

柄谷行人の主な著書

柄谷行人さんの著書は文学、哲学、政治、経済の分野において多岐にわたり、アジアだけではなくアメリカ・ヨーロッパでも翻訳出版されています。「文学ガイド」では、『マルクスその可能性の中心』『日本近代文学の起源』から読むことをおすすめしています。英訳されている著書としては他に『隠喩としての建築』、『トランスクリティーク カントとマルクス』、『歴史と反復』、『世界史の構造』、『ネーションと美学』、『哲学の起源』などがあります。

この機会に柄谷行人さんの代表作を読んでみてはいかがでしょうか?

プレスリリース「アジア初 日本の哲学者 柄谷行人氏、2022年バーグルエン哲学・文化賞を受賞」

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