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【連載第7回】今日の広辞苑「ふくもん【副紋】」

今日の広辞苑7 ニュース
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ふくもん【副紋】
替紋(かえもん)に同じ。

第7回の語は「ふくもん【副紋】」である。

「替紋」を広辞苑で調べてみると、「定紋(じょうもん)にかえて用いる紋。裏紋」とある。次は「裏紋」を調べてみると、「定紋(じょうもん)にかえて用いる紋。かえもん。↔表紋」である。

……結局、よくわからない。インターネットで調べたところ、「副紋」とは、公式の家紋である「定紋」とは別に、血縁関係や婚姻関係、あるいは由緒ある家系とのつながりを示すためにつけられた「サブ家紋」であるらしい。たとえば、戦国時代に武勲を立てた際に、殿様からごほうびとしてもらったりとか。ほかにも、さまざまなケースがあるようだ。

ところで、家紋とは何も名家にのみあるわけではない。私の祖母の家にも家紋がある。何やら梅をモチーフにしているらしいが、正式名称はよくわからない。というのも、インターネットで家紋一覧を眺めてみても、ぴったり一致するデザインが見つからないのだ。家紋は各地に広まる過程で微妙にデザインが変化していくため、自分の家の紋の名前がわからない、というのはよくある話らしい。

家紋の由来を調べようとすると、なかなか骨が折れる。寺の過去帳、古い写真、墓石の彫刻。意外と記録が残っていない。紋の形も似たようなものが多く、判断が難しい。親戚に尋ねてみても「昔は誰かが知ってたけどねえ」といった返事しか返ってこない。

けれども、たしかにそこには物語がある。表には出ない、けれども静かに家の歴史に縫い込まれた家紋。あなたの家にも、そんな記憶が眠っているかもしれない。何の役に立つわけでもないが、家紋を辿ることは、自分のルーツを探る旅でもある。あなたも一度、家の紋を調べてみてはいかがだろうか。

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