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【連載第13回】今日の広辞苑「ぶたのまんじゅう【豚の饅頭】」

今日の広辞苑13 エッセイ
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ぶたのまんじゅう【豚の饅頭】
(英語名 sowbreadから)シクラメンのこと。

広辞苑第7版「豚の饅頭」p.2564

第13回の語は「ぶたのまんじゅう【豚の饅頭】」

試しに「豚の饅頭」で画像検索をしていただきたい。当然、ぶたさんをイメージしたかわいいキャラクターまんじゅうや、中華まんの「ぶたまん」などが検索結果にずらりとならぶはずだ。

私も驚いたが、「豚の饅頭」とは、「シクラメン」の別名である。サクラソウ科シクラメン属の多年草球根植物で、開花期間は10月から3月。冬の室内を彩る花として人気があり、カラーバリエーションも豊富だ。「豚の饅頭」とは、英語名「sowbread」を直訳したものらしい。ちなみに「sow」が「雌豚」の意。アメリカの俗語で「ブス」という意味もある。

日本では布施明の『シクラメンのかほり』が大ヒットし、「シクラメン=ロマンチックな愛の象徴」というイメージが定着した。だが「豚の饅頭」と呼んでしまえば、その甘やかで湿った詩情もどこか吹き飛んでしまう。

言葉とは不思議なものだ。まったく同じモノを指していても、「シクラメン」と呼ぶとポエムになり、「豚の饅頭」と呼ぶとコメディになる。

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