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『資本論』マルクス 第3章「貨幣または商品流通」第1節「価値の尺度」

マルクス 資本論 外国文学

第1章では、貨幣が商品の価値尺度して機能していることを学習しました。それでは、貨幣は何を基準にして商品の価値を測っているのでしょうか。答えは、「貨幣に含まれる金属の重量」(=「度量基準」)です。

最初は、「1ポンドの重量の銀貨=1ポンド貨幣」というように、金属の重量と貨幣の額は一致していました。しかし、次第に、金属の重量と貨幣額は分離していくことになります。マルクスは、その歴史的な要因を3点挙げています。

「金属重量の貨幣名は、次第にその最初の重量名から分離する」⇨3つの要因

1. 「発展の程度の低い諸民族では他民族の貨幣がはいってくる。例えば、古代ローマにおいて、銀貨と金貨が、最初は外国商品として流通したようなものである。この外国貨幣の名称は、国内の重量名とは異っている」

2. 「富の発展とともに、より低い貴金属は、より高いそれによって価値尺度の機能から追われる。銅は銀によって、銀は金によって。いかにも、この順序はすべての詩的年代記とは矛盾しているが。そこで、ポンドは、例えば実際の銀一封度にたいする貨幣名であった。金が銀を価値尺度として駆逐すると、同一名称が、恐らくは1/15ポンド等々というように、金と銀との価値比率にしたがって、金に付着する。貨幣名としてのポンドと、金の通常の重量名としてのそれは、いまや分離される」

3. 「幾世紀にもわたって継続された諸侯の貨幣貶質。このために鋳貨の最初の重量から、事実上ただ名称だけがのこった」

貨幣の2つの機能、「価値の尺度」と「価格の尺度標準」を区別しておきましょう。マルクスは次のように述べています。

「価値の尺度として、また価格の尺度標準として、貨幣は二つの全くちがった機能を行う。貨幣は、人間労働の社会的化身として、価値の尺度である。確定した金属重量としては、価格の尺度標準である。貨幣は、価値尺度としては、雑多にちがっている商品の価値を価格に、すなわち、観念化された金量に転化するために用いられる。価格の尺度標準としては、貨幣はこの金量を測るのである」

「価値の尺度」と「価格の尺度標準」は紛らわしいため、しっかりと区別してください。

一点、注意してください。金の価値が変動したところで、「価格の尺度標準」として、あるいは、「価値尺度」としての機能は妨げられません。商品の価格は、「供給<需要」の場合、価格が価値以上に上がり、「需要<供給」の場合、価格は価値以下に下がる、というように、需要と供給の関係で決定します。

最後に、「観念的な貨幣」という用語について、解説します。

「商品の価格または貨幣形態は、その価値形態一般と同じく、手でつかみうるような、その実在的の物体形態とちがった、したがって理念的または観念化された形態にすぎない。鉄、亜麻布、小麦等々の価値は、見ることはできないが、これらの物そのものの中に存在している。それはこれらの物の金との等一性によって、すなわち、金にたいするいわざその頭脳の中に棲んでいる連結によって、表示される。したがって、商品番人は商品の代弁をしてやるか、商品に紙片をはりつけてやるかして、その価格を外界に知らせねばならない。金における商品価値の表現は、観念的なものであるから、この表現を実際に行うためには、また観念的の、または理念としての金が用いられればいいのである」

要するに、貨幣によって、商品が共通の価値を持っているようにみえるけれども、実際は、第1章で見てきたように、労働によって、等価になっているだけである。だから、現実の金は必要がない、ということをいっています。観念的、あるいは、理念的な貨幣として機能している、というわけです。

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