アマゾンプライム会員なら対象の電子書籍が読み放題! >>

『資本論』マルクス 第1章「商品」part 2

マルクス 資本論 外国文学

『資本論』第1章第3節「価値形態または交換価値」

『資本論』第1章第3節では、貨幣が登場した理由について考えます。現代社会では、貨幣を使用して商品を購入することはあたりまえのことです。しかし、昔は、貨幣は存在していませんでした。というわけで、まだ貨幣は存在していないという前提で次の説明を読んでください。それでは、貨幣が発生するまでに経過した価値形態の4つの段階を見ていきましょう。

A 単純な、個別的な、または偶然的な価値形態

 x量商品A=y量商品B
x量の商品Aはy量の商品Bに値する。
亜麻布20エレ=上衣1着 または二〇エレの亜麻布は一着の上衣に値する。

いわゆる、個人同士の物々交換。原始的な方法ですね。この「単純な、個別的な、または偶然的な価値形態」で重要なことは、商品Aと商品Bは明白に異なる役割を果たしているということです。商品A(亜麻布)はその価値を商品B(上衣)で表現しています。この場合、上衣は、亜麻布の価値を表現するための材料の役割を果たしています。亜麻布は能動的な役割を演じて、上衣は受動的な役割を演じています。亜麻布は上衣の相対的価値で表現されていますよね。この場合、亜麻布は「相対的価値形態」にある、と表現します。逆に、上衣は、亜麻布の等価として機能しているため、この場合、上衣は「等価形態」にある、と表現します。「相対的価値形態」と「等価形態」をしっかりと区別しておきましょう。

「相対的価値形態」…自らの価値を他の商品で計る
「等価形態」…価値を計るための商品

と覚えておきましょう。

B 総体的または拡大せる価値形態

z量商品A=u量商品B または=v量商品C または=w量商品D または=x量商品E または=その他

(亜麻布20エレ=上衣1着 または=茶10封度 または=コーヒー40封度 または=小麦1クォーター または=金2オンス または=鉄1/2トン または=その他)

第一の形態「単純な、個別的な、または偶然的な価値形態」では、一対一の単純な交換でした。交換比率も時と場合によって異なります。しかし、第二の形態「総体的または拡大せる価値形態」では、一商品、例えば、亜麻布の価値は、無数の他の商品と様々な量で交換されることになります。この段階では、まだあらゆる商品に共通の価値表現はできません。商品ごとに価値表現を行って、他の商品はただ「等価」として受動的に現れているだけの段階です。

C 一般的価値形態

上衣1着 =
茶10封度 =
コーヒー40封度 =
小麦1クォーター =  亜麻布20エレ
金2オンス =
鉄1/2トン =
A商品x量 =
その他の商品量 =

第二形態「総体的または拡大せる価値形態」の式を逆転しました。やりましたね。ついに、あらゆる商品の価値が同一の商品(例えば、亜麻布)で表現することに成功しました。このおかげで、色々な商品の交換が可能になりました。例えば、茶10封度=亜麻布20エレ、次に、コーヒー40封度=亜麻布20エレ、したがって、茶10封度=コーヒー40封度というように。この段階では、亜麻布はあらゆる商品の等価として機能しているわけです。この場合の亜麻布を「一般的等価物」といいます。

D貨幣形態

亜麻布20エレ =
上衣1着 =
茶10封度 =
コーヒー40封度 =  金2オンス
小麦1クォーター =
鉄1/2トン =
A商品x量 =

第一形態から第二形態へ、第二形態から第三形態への移行には、本質的な変化が生じています。しかし、第四形態(貨幣形態)は、第三形態の亜麻布が金に変化した以外には本質的な変化はありません。唯一の変化は、社会的習慣によって、金の自然の性質(持ち運びに便利、腐らない、など)が、一般的価値形態と結びついたということです。

『資本論』第一章は、「使用価値」と「価値」、「具体的有用労働」と「抽象的人間労働」、4種類の価値形態、「相対的価値形態」と「等価形態」と様々な用語が登場しました。『資本論』は序盤が難しい、といわれています。用語の意味をしっかりと理解して、地道に読んでいきましょう。

タイトルとURLをコピーしました